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新刊『ユダヤ女ハンナ・アーレント―経験・政治・歴史』

けっこう、衝撃的なタイトルだと思ったのですが
アーレント自身の発言のようです。
フランスの博士論文を訳したもの。ロベルト・ヴェルチュが「ウェルチュ」、米議会図書館が「ライブラリー・オブ・コングレス」、セイレーンが「シレーン」というような感じで訳されていて、日本語としては読めない箇所もありますが、「ユダヤ人として生きること」とはどういうことなのか?というアーレント自身のテーマが論じられているので、読む価値のある一冊かもしれません。イディッシュ語に対する、アーレントとカフカのアプローチの違いなどは面白かったです。

「私はひとりのユダヤ女です」と、自らを位置づけるアーレントにとってユダヤ性は紛れもないひとつの経験であり、己の思考を政治や歴史に導く重要な要素であった。アーレントが引き起こした数々の論争を踏まえ、その思想練成の側面を照射。


目次
1 「あなたは誰ですか?」「ひとりのユダヤ女です」(ユダヤ人の同化の起源で―ラーエル・ファルンハーゲンあるいは内面性と物語としてのユダヤ性
所与と「誰」)
2 反ユダヤ主義、全体主義。崩壊するのをひとが見たがるものについて書くこと(反ユダヤ主義を解釈すること。同化主義とシオニズムの実践的かつ理論的不十分さ
全体主義の区切り、あるいはジェノサイドの区切り?)
3 困難な平等(解放の運命)(「啓蒙」の両義性から解放の曖昧さへ
無国籍者あるいは「人間一般」)
4 パーリア、成り上がり者、そして政治。いかにして没世界主義から脱するか(パーリアと成り上がり者―圧制の体系
没世界主義と友愛
没世界主義を超えること)
5 抑圧されたものと犠牲者の責任(「われわれが求めるのは慈愛ではなく正義である」
シオニズムあるいは国民解放運動の曖昧さ
ユダヤ人評議会。政治的責任、道徳的責任)


ユダヤ女ハンナ・アーレント―経験・政治・歴史 (叢書・ウニベルシタス 883)

ユダヤ女ハンナ・アーレント―経験・政治・歴史 (叢書・ウニベルシタス 883)

  • 作者: マルティーヌ・レイボヴィッチ
  • 出版社/メーカー: 法政大学出版局
  • 発売日: 2008/03
  • メディア: 単行本


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